人が作ったものだからこそ感じるやるせなさ

「目の前にあるのに、拾い切れなかったことが悔しい!」
壱岐島を離島し、佐賀に帰るバス内で若者が悔しさにじませ言い放った一言です。

壱岐島の北端にある無人島「辰の島」

7月1日(土)から2日(日)にかけての2日間、佐賀から大学生・短大生21名を率いて壱岐島へ渡り、第7回ボランツーリズムin壱岐に参加。
壱岐島のさらに北端にある離島「辰の島(たつのしま)」で海岸清掃、漂着ゴミ対策のアイディアを形にするワークショップ「壱岐アイランドソン」を行い、観光名所となっている島の海岸を見て回って離島しました。

回を重ね、活動が島民にも浸透し参加者は増加の一途。
今年、佐賀など壱岐島外の学生や社会人93名と島の高校生151名を含め、339名が海岸清掃に参加したようです。
それでもなお、小さなこの島ですら漂着ゴミを一掃できたと言えません。
集まった漂着ゴミを見てみると、養殖業などの漁具が圧倒的に多く、海外のものもありますが日本国内由来のゴミも相当数あります。
2日目の壱岐保健所の方の事例発表では、壱岐島に流れ着いたペットボトルの国籍別調査によれば、日本国内のものが4割を超えていたという話がありました。
この問題はとても深刻で根が深いのです。

きりがないけども、漂着ゴミを生みだしているのも人間。
誰かが気づき拾わなければ、捨てるのをやめなければ、人工物であるこれらはこれからも漂い存在し続けてしまいます。
また、海岸に流れ着いたゴミは、風や波にさらわれて再漂流してしまうのです。
さらに、漁具に多い発泡スチロールは、細かく砕け続けて、マイクロプラスチックと呼ばれる状態になってしまいます。
こうなってしまえば、隈なくかき集めるのは困難。

「拾う人は捨てない」
壱岐島おこし応援隊「チーム防人」代表の中山さんが言う。
1人から2人、2人から4人と伝え続け、社会そのものを変える大きなうねりとすることが、ボランツーリズムを体験した我々に期待されている役割でもあるのです。

総勢339名の辰の島清掃